教算坊
江戸時代後期の多い時には33もの宿坊が芦峅寺にはあったという。
宿坊は立山に参拝するために全国から集まった人々が宿泊する施設である。
朝早く宿坊を出発した立山参拝者は、藤橋を渡り、材木坂を登り、
弥陀ヶ原を越え、次の宿泊所である室堂を目指した。
歩行距離20km、高低差2000m、
草鞋を履いての険しい登行は厳しかったことだろう。
現在の教算坊は改築され構造が変わっているが、
元々の建物は1800年頃に建てられたといわれている。
山小屋の平野版を想像していたが、上品な高級旅館であった。
そして立山参拝のための宿坊なのに何故か広大な庭があり、
その庭の造りは富山一、想像を絶する素晴らしいものであった。
昔の立山登山は金持ちの贅沢であったのだろうか。