金岡家
越中の売薬さんが売る薬は、自ら製造するのが基本である。
この売薬さんに薬の原料を売るのが薬種商である。
金岡家は江戸時代末期から薬種商を営んで財を築き、
その売薬資本が富山県近代産業を発展させる原動力となった。
家 祖 金剛寺屋又右衛門 1860年頃、薬種商を営む。
1868年、金岡姓に改める。
第1代 金岡又左衛門 現:北陸電力創設。
第2代 金岡又左衛門 現:富山第一銀行創設。
第3代 金岡又左衛門 テイカ製薬創設。
第5代 金岡幸二 インテック創設、富山国際大学設立。
主屋は1879年建造、新屋は1920年頃建造。
敷地面積596坪、建物面積244つ坪。
店先の様子。
丹霞堂:たんかどう。
金岡家の薬店の名称。
丹霞とは「赤い薬の粉末がたなびいている」ということで、
反魂丹のイメージを表しているような気がする。
後ろに並んでいる薬たんすは1860年製造。
ジャコウ。
じゃこうじかの雄には下腹部に鶏卵大の「じゃこうのう」があり、
強い香気を分泌するが、これを切り取って乾燥させたものである。
ゴオウ。
牛の胆嚢の中にできた結石、つまり胆石である。
反魂丹。
オウレン、センブリ、ショウガ、牛胆、熊胆からなり、腹痛に効く。
第2代富山藩主・前田正甫が江戸城中において、
印籠に入れて携帯していた反魂丹で三春藩主の腹痛を救った話は有名。
諸大名から自藩での販売を依頼され、越中売薬の基礎を創った。
六神丸。
麝香、牛黄、熊胆(熊の胆嚢)、
人参、真珠、センソ(ヒキガエルの耳腺分泌物)、
以上六つの神薬(高価で貴重な薬)からなる。
めまい、息切れ、心臓病などに効く。
おまけの紙風船。
柳行李。
重さが20kgもあるが、これを背負い、
毎日20〜30kmも歩いたという。
上から
1段目 懸場帳、算盤、財布、筆記用具。
2段目 おまけの版画、紙風船。
3段目 回収した薬。
4段目 新しい薬。
5段目 新しい高い薬。
座敷の近衛文麿の書。
座敷の北側の縁側。
軒先の約12mもある一本物の桧の絞り丸太。