今日はとんでもない日になってしまった。
北陸自動車道、東海北陸自動車道、中部縦貫自動車道、国道158号線、国道41号線、国道361号線を乗り継ぎ、御岳ロープウェイまで約200km、約3時間。
駐車場は満杯かと思いきや、30%ほどしか埋まっていない。
人もまばらで、登山者というより、散策するような格好の人が多い。
歩行距離9km、高低差940m、上り3:40、下り3:20。
今日出会った登山者約200人。
6時、動き始めたゴンドラに乗る、往復2400円。
新穂高ロープウェイのようなものを想像していたのだが。
中の湯からの道と合流した後は木の階段を登って行く。
森林鉄道の枕木の再利用らしい
乗鞍岳。
前を行く白装束の集団。
スピーカーで「六根清浄、御山は快晴、引き上げたまえ・・・」などと称えながら白い紐で繋がって登って行く。
後ろについて行くと遅いし、追い越そうとすると息が上がりめまいがする。
ここで調子が狂ってしまった。
山荘から50mほど上がったところで何か体の調子がおかしい。
動けなくなってからでは遅いので、すぐ引き返したが、途中で両手の先がしびれてきた。
石室山荘まで戻ってダウン。
しびれは両手、腹部、顔、大腿部、胸部へと広がっていく。
軽いけいれんもある。
生まれて初めての経験で、恐怖が募っていく。
たくさん酸素を取り込もうと必死で息をするが直らない。
1500円もする小さな酸素ボンベを持ってきてもらい吸うが悪化するだけ。
山荘に入って来る人は皆さん平然としている、どうして私だけこんな目に。
近くにいる人から、「低酸素症か、危ないかもしれないな」という声も聞こえてくる。
もはやこれまでかと、ヘリコプターで吊り上げられる姿を想像して愕然となる。
一方、意識ははっきりしており、吐き気も殆ど無く、体も動かそうと思えば動きそうだ。
症状は定常状態になっている。
ひょっとしてと息をゆっくりしてみたら少し楽になった。
やっぱりかと普通の呼吸に戻すと症状は治まっていった。
最近、高山病になるまいと無理に大量の空気を吸い込むようにしていた。
今日はそれが裏目に出たのと、倒れるのではないかという恐怖から過呼吸になっていたのだ。
過呼吸になると血中の二酸化炭素が減少し過ぎ、神経系が狂うらしい。
しばらくすると体調は完全に正常に戻った。
ただ、気を落ち着かせるために遭難時用に携行している精神安定剤を飲んだが、飲みすぎたようで、後々、大変なことになる。
幸せそうな山伏。
小学生の女の子もこんな格好をして、楽しそうに登っていた。
10時10分、下山開始。
薬の副作用か石室山荘でしばらく寝込む。
この後、体がフラフラし、うまく歩けない。
何回も尻餅をつく。
ミヤマアカバナ。
よほどフラフラしていたのだろうか、登ってくる若い女の人に「もうすぐですよ、大丈夫ですか」と言われてしまった。
帰り道、開田高原で、薬の副作用がまだ残っており、フラッとして車道と歩道の境界にある縁石の上のデリネーターにぶつかり、左のランプあたりがなくなってしまった。
走行可能だが、捕まりそうなので、JAFを呼んだら木曽町の代理店で、そこへ車を持ち込み、代車で帰ってきた。
お盆過ぎに、また、車を取りに行かなければならない。
ついでに何処か登ってこようかな。
懲りない黄昏犬太郎。