第3代加賀藩主・前田利常は隠居地として小松城に入城した。
小松城は水堀を廻らし築島を配するという大規模なもので、
城域は金沢城の約2倍の規模を誇ったという。
本丸には天守台が築かれ、
広大な水堀に浮かぶ姿から浮き城の別名を持つ、
難攻不落の実戦を想定した要塞であったようだ。
利常の死後は金沢城の支城となり、城番により統治された。
利常は那谷寺を再建するなど数々の寺社を造営し、
また伝統工芸などの産業を振興した。
●本陣記念美術館●
本陣甚一氏のコレクションを中心とした美術館。
本陣氏は小松出身で北國銀行の頭取を務めた。
本陣コレクションは近現代の日本画を中心に、
油彩画、書画、陶磁器、漆工、金工、木工・木彫、
人形、ガラスなどその内容は多岐にわたる。
また、茶席を飾る水墨画、一行物、書蹟、花器、茶碗、茶入など、
江戸時代初期から茶人に愛され伝えられた貴重な作品も含まれる。
●小松市立博物館●
歴史・美術等の人文資料、
化石、昆虫標本、剥製などの自然科学資料を展示する。
立派なタブノキ。
●宮本三郎美術館●
宮本三郎は小松市松崎町に生まれた洋画家。
遺族より油彩画、デッサンを含む作品群の寄贈を受け展示している。
●錦窯展示館●
人間国宝・三代徳田八十吉氏の生家であり、
初代から三代までが九谷上絵付にいそしんだ陶房跡でもある。
錦窯とは上絵付に用いる低火度の窯のことであり、
直接火が器物に触れないように二重構造になっている。