念仏小僧 犬太郎

色不異空 空不異色 色即是空 空即是色

富山藩領山方絵巻

富山市郷土博物館で、企画展
『「富山藩領山方絵巻」を読むII−描かれた人物と背景を探る!」』
が開催されている。

富山藩領山方絵巻は、
江戸時代末期、1860年頃の富山藩内の様子を、
実景にもとづいて描いた全3巻の絵巻物。

藩関係者と思われる一行が、富山町から猪谷・八尾方面、
さらには飛騨との国境付近へと歩む道筋が描かれている。
一行がたどった道筋の景観が、
山や川、村々の名称とともに記されており、
当時の富山藩領内の様子を知る上で貴重な資料となっている。

富山市郷土博物館。
1954年に戦災復興事業の完了を記念して開催された、
富山産業大博覧会の記念建築物として建設された模擬天守閣が、
のちに博物館となったものである。
戦国時代に築城されてから明治時代以降の城址の変遷に至るまで、
400年以上にわたる富山城の歴史を紹介している。

一行がたどったルート。

前田利保の歌碑を拝む一行。
1853年3月、既に隠居していた第10代富山藩主前田利保は、
家来を引き連れて八尾町庵谷から残雪の尾根に取付き、
金剛堂山の頂上を踏んだ。
その時に詠んだ歌が、
「飛騨信濃木曽の峰々みな見えて西は残さぬ白木山かな」
である。
翌年、山頂で詠んだ歌を刻んだ歌碑を中金剛に持ち上げる。
中金剛の手前にある歌碑がそれである。
登山口の八尾町庵谷にも同じ歌碑を建てた。

前田利保が植物採集の基地としていた下ノ茗温泉。

飛騨との境石の確認。

原山で休憩する一行。

桂谷を行く一行。

蝙蝠ヶ窟の調査。

木ノ根峠を行く一行。

布谷村の十村・渡辺家へ入る一行。