全ては夢、幻、消えていく姿。
何かが現れた時は、それはまた消えて行く時に過ぎない。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす。」
この宇宙はビッグバン以来の因縁生起で変化変滅している。
当然のこととして宇宙のかけらは、この宇宙運行の法則に従って変化変滅しているに過ぎなく、何の意味もなければ価値もない。
人として生れて来たのではなく、宇宙に発生した人体の中で発達した煩悩器官を人と言ってるだけで、合成したものはやがて分解して行く。
ただそれだけのことで、夜寝て目が覚めなかったら、全てはただ消えて行ったに過ぎない。
だから全ては空でしかなく、そもそも空でしかなかった。
「宇宙は不消不滅、不垢不浄、不増不減、人生は色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。」
などと今日も煩悩器官はたわ言を分泌する。